本文へジャンプ

ようこそ!~うんちくコラム~


東海支部大野先生の長野式を織りまぜたうんちく集

長野の式診断法の中に火穴新があります
 
長野式の診断法の中に「火穴診」があります。
 
火穴の圧痛の有無によって各経絡の変動を見出すことができるのです。
火穴の圧痛がある場合、その経が「実」の状態であるとし、気(金)穴、水穴に補鍼して、その実の反応を消去していきます。
これを気水穴処置と呼びますが、三つの意味合いが見られます。
 
1、気流促進処置として・・・組織細胞呼吸(内呼吸)及び、肺呼吸(外呼吸)の活性化。

2、水分代謝促進処置として・・・リンパ、細胞内、細胞外液の代謝、循行、配分を促進し、臓器機能の調整を図り、各種の浮腫症状を消失せしむる。

3、毛細血管血流促進処置として・・・血管運動神経失調等による四肢末梢の毛細血管の収縮に対する処置。
 
このように気水穴処置は鍼灸による全疾患の基本的処置として広く臨床で活用されております。
 
ところで変則的な活用例として顔面神経麻痺など麻痺に対する場合があります。
 
麻痺の状態にある部位を「虚」として捉え、気水穴ではなく火穴を補う処置をしていきます。例えば顔面神経麻痺の場合は陽明経の胃経、大腸経の火穴を補っていきます。
「わが三十年の軌跡」の中の顔面神経麻痺の症例の中でも患側の陽明経の火穴に補鍼と施灸が行われております。
私も臨床の中で行っておりますが、効を奏しております。
 
この本の中で長野潔先生は顔面神経麻痺の患者さんに共通する要素をいくつか挙げております。そのうち 
 
○強迫型で特に自我が強い性格で完全主義者の傾向がある。
○食事の偏りが多く酸性食品を好む。
○呼吸の浅い人に多い。
などは交感神経緊張型の人ではと思いました。
 

口輪筋などの表情筋と言うのは発生的に内臓筋と同じだそうです。
舌筋は骨格筋に属しておりますが。
このように考えますと顔面部の表情筋に陽明経がめぐっていることは理にかなっていますね。
 
つまり、内臓筋由来の表情筋と副交感神経との関わりは大きいのではないかと考えられます。顔面神経麻痺の人に交感神経緊張型の方が多いことと何らかの関連があるのかもしれません。
また、表情筋を活性化させることで副交感神経にも影響を及ぼすならば表情豊かな笑顔が健康によいと言うのも肯けます。
 
たとえばパーキンソン病も新潟大学の安保徹氏によれば交感神経緊張によって引き起こされると言いますが表情筋が副交感神経ならば仮面様顔貌といわれる表情の乏しい顔貌になるのもわかる気がします。
 
また、表情筋は口輪筋に付着しておりますので口の動きが大きく関わってきます。
よく噛む人はボケないということを聞いたことがありますが口輪筋および表情筋を動かすことで副交感神経が活性化し、脳血流が増加するからとも言われています。
実際、表情筋に負荷をかけることで脳血流が増大したと言うデータも出ているそうです。
中枢性の麻痺などのリハビリや治療でも表情豊かに、脳血流を増やしながら行うといいのかもしれません。
 
***************************
016東海支部 大野 平成18年 3月

 Copyright (C) 2003  Naganoshiki Rinsyou Kenkuyukai all rights reserved